Antigravity アンチグラビティーの話

Antigravity バッテリー

本格的に取扱を始めたAntigravity (アンチグラビティー) バッテリーの紹介です。

 

 早速お客様のRSV4に取り付けました。

まずは数種類ある Antigravity バッテリーの容量サイズ選びからです。

 

 バッテリー容量10AhのユアサYTX12-BSがRSV4の標準バッテリーです、始動時のクランキングアンペアが大体3Ah付近です。

 Antigravity 4600 だとクランキングアンペアが2.4Ahを確保してます。

YTX12-BSと比較して多少容量不足に見えますが、ドロップ後も安定した出力を確保でき瞬時に容量回復しますので通常は問題なく使えます。

 RSV4の場合YTX12-BSより容量の小さいYTX9-BS(8Ah)でも何の不具合も無く使用できると思います。

 もっと言えば50㏄スクーターに使っているYTX4L-BS(3Ah)でもRSV4のエンジンを始動する事は可能です。

ただし・・・・新品で満充電してあり一発始動が条件です。

 

 まっ、それはともかくメーカーがRSV4に10Ahのバッテリーを指定しているのには、それなりに訳があり、インジェクションであり水冷エンジンで圧縮比も高く高性能で熱量の大きいエンジンと言う事で、わりかしバッテリーには負担かかります。

 

 キーONにするとフューエルインジェクションですのでフューエルポンプが作動し燃圧を高めます、排気デバイスのサーボモーターとライドバイワイヤーのスロットルサーボがワンサイクル作動しメーターパネルのデモンストレーションと同時に故障診断します。

 ここまででも意外と電気使ってますが、よほどの悪条件でなければ10Ahまでは必要ありません。

では悪条件とは・・・・

  • 数ヶ月ぶりの始動でバッテリーそのものが自己放電により少し弱っている。
  • 冬の外気温が低い朝など、そもそもガソリンが霧化しにくくエンジンが始動しにくい時。
     気温が低いとバッテリーの起電力も弱いうえオイルも固くクランキングフリクションが大きい。
  • 逆に、外気温が高い夏場の渋滞などで電動ファンが回りっぱなしで、若干オーバーヒート気味な時にちょっとしたミスでエンストした時の再始動時。

ってな時でしょうか?

一番多い悪条件はバッテリー自体の劣化でしょう、1年で10%くらい容量が劣化するって話もありますので2年目は10Ahが8Ah位になってる可能性があります。

ですのでYTX9-BSだと2年目は6.4Ahでクランキングアンペアは2Ah・・・・・・3年目は苦しいかも、しかも上記のような悪条件が重なるとヤバヤバ!

AG4600とAG6900

 

 Antigravity の場合ほとんど自己放電しないし経年劣化も鉛バッテリーほどではありませんので、乗らない期間が少々あってもエンジン始動に問題が起こる事はありません、が・・・そのほかの考えられる悪条件は変わりません。

 

 ですので使用条件が一定なレース用なら4600で余裕ですが、一般公道の使用であれば6900の方が安心できます。

 

と・・・長くなりましたが6900をチョイスです。

 4600と6900の比較で容量は1.6倍くらいのアップ、大きさは厚みと高さが1センチくらい大きくなります。

それでも体積は標準のYTX12-BSの1/3、重さは3㎏軽くなります!持ってみるとビックリします。

重さの実測です・・・・・体重計ですので精度には問題ありです(ToT)/~~~ 参考程度に。

 

それでは取付でございます。

 RSV4のバッテリーはライダーシートの下まで伸びたフューエルタンクのすぐ後ろにピッタリ収まるように入ってます。

 タンデムシート下は、ほぼ何も入らない、物入れは皆無といって良い位の潔いスーパースポーツモデルですのでETCの取り付けも困難です。

 この車両もETC装着車です、行き場の無いETC車載器は、シート裏についてる車載工具を降ろす事で確保できるバッテリー上のスペースに取り付けています。(上の右がETCをどけた所)

 標準バッテリーを外してAntigravity 6900を適当に置いてみたら、こんな感じでETCもスッキリ収まります。

車載していなかった車載工具も車載OKです。

 

 それでは本格的に取り付けと行きます、バッテリー交換といってもぜんぜん違う形のバッテリーを取り付けますので、それなりに取付には工夫が必要です。

 まずは配線の取り回し、大きさは約 1/3 ほどですので取付自由度は高いですが、如何せん配線端子の取り付け部分の形の違いを克服しないといけません。

写真のようにノーマルの配線端子はコの字型、Antigravity の端子取り付け面とコの字に曲がった部分が干渉して、このままでは取付できません。

  1. 配線の端子の形状を変えるか換える
  2. スペーサーやステーなどで干渉を防ぐ
  3. オプションの延長コードを使う

今回は ② で向かいます。

銅板を曲げたステーで取付しました。

バッテリー自体も縦(?)に置くとちょうどバッテリを止めるプラ製の爪が寸法バッチリで使えます。

配線の取り回しも問題なくETCもバッチリって事で・・・・・・

 ただ銅板のステーだとボルト&ナットで締付けってのがいまひとつ、銅製の角材から削りだしで専用ステーを作ります。

ご購入はこちらから

 もうひとつ情報です。

Antigravity (アンチグラビティー) バッテリーと同じ安全性が高く、ほとんど自己放電しない Lifepo4 を使った廉価版のバッテリーをもうすぐ紹介できると思います。

Antigravityほど小型で高性能では有りませんが、今までの鉛バッテリーから完全トレードインできます。

 トレードインですので小型省スペースではありませんが Lifepo4 を使ってますので重さは信じられないくらい軽量です、性能も今までのバッテリーとほぼ同じ、価格も安いので今のバッテリーが悪くなったら考えてみてください。

 バッテリーがあがると The END のビックスクーターなどに最適ではないでしょうか。