以前にもご紹介したMUPO(ムッポ)です。
中身を検証しようとバラバラにしました。
分解作業そのものは他のレーシングショックとと比較しても特別変わったところはありませんでした。
特にバラしやすいわけでも無く特別厄介な物でもありませんが、あと少しの工夫でもう少しやりやすくなりそうな箇所はありましたのでメーカーの方へ報告いたしました、改善されるかは・・・・・?ですが、まぁ整備上の問題ですので使用や性能には特に問題は有りません。
とりあえずバラバラにすると、こんな感じ。
ちなみにMUPOの一番上のクラスである「AB1 EVO」と言うモデルになります。
構成部品は、ま~大体こんな感じオーリンズもNITRONもホワイトパワーもペンスキーも似たり寄ったりの構成部品です。
それでは違いを少しずつ・・・・・
左から・・・シリンダーボディー側のリザーバータンク取付部分です。
ボルトで2枚目の写真のビギーバックのリザーバーがとまります、シーリングはO-リングで行いタンクの角度はピンによって4段階に位置選択できます、 角度変更には分解が必要となりますのでオーリンズ等と同様で固定型と思った方が良いです。
ナイトロン製はタンク角度を分解せずに変更できるので場合によってはカスタムの幅が広がります。
3枚目の写真は2枚目のリザーバータンクのシリンダー内面(2枚目の写真の反対側)です。
ちらりと見える2枚目の青いアルマイトは圧側ダンパー低速側の調整ノブ、3枚目ちらりの赤いのは高速側ノブとなります。
タンク内面はオーリンズ同様(TTXは分かりませんが)アルミ地のまま、4枚目の本体のシリンダーは内外共にハードアルマイト処理してあります。
ちなみにナイトロンはリザーバーも本体もハードアルマイトです。
シリンダーはタンクも本体も今まで知っている中ではかなり薄く軽い部類です。
続いて・・・・
1枚目がリザーバータンクの構成部品です、2枚目がフリーピストンで3枚目がキャップを内側から見たところです。
フリーピストンのスライドメタルは金属製(DU)です、分かりにくいですがオイル室側に向く面がセンターに向かって軽くテーパー状に盛り上がっています、たぶんオーバーホール時にエアー噛みしにくくするための工夫なのかなと思いますが真意は定かではありません。
キャップの真ん中の黒い部分はゴムの"へそ”と呼んでる部品でタンクに注射針で高圧窒素ガスを入れる時に必要な部分です、交換可能でありがたい!ほとんどのメーカーがここが痛んだ場合はキャップごとの交換となります。
続きまして本体のインナーロッド回りです。
インナーロッドはよくあるクロムメッキやチタンコートではありません、写真で分かる通り黒、ブラックです。
でっ何かって言うとDLCです。
DLCとはDiamond Like Carbon(=ダイヤモンドの様なカーボン)の略で、主に炭素と水素で構成される非晶質(アモルファス)のカーボン硬質膜の事で、近年もっとも注目されるコーティングです。
DLCは非常に硬く耐摩耗性に優れ、各種素材の表面改質に大きな効果があります。
特徴は,高強度・低摩擦係数・高耐摩耗性・高耐焼き付き性・高生態親和性・電気絶縁性・耐薬品性・赤外線透過性など。
特に低摩擦係数と高耐摩耗性及び耐疑着性と低攻撃性は、ほかの硬質薄膜を圧倒しています。
とエヌ・イーさんの所で説明されています。
当店でもオーリンズのTTXやナイトロンのインナーロッドに処理した事がありますが、コストのかかる処理です。
2枚目の写真は左が取付時に下側となります、写真では欠けてますが一番左にピロボール、次に車高調整用の赤いロックナットその次の赤いノブが伸び側ダンパーの調整ノブです。
黄色いのがバンプラバー赤いのがシリンダーのキャップ、黒いのがダストシールとなります。
3枚目4枚目がシールヘッダー部分となります、オイルシールにはⅩリングが使用されています。詳しくは省きますが、オーバーホール時のエア抜きを容易にする工夫があります、整備する側にはありがたいです。
4枚目に見える3巻きくらいのシリコンクローム製のスプリングが伸びきり側のリターンスプリングです、ハイサイドの防止に効果があり最近装着されるモデルが増えてます。
長くなりましたのでpart 2に続きます。